2001年に発見された「脂肪由来幹細胞」は、比較的早い段階から研究が進められてきました。
これまでの研究により、脂肪由来幹細胞は、本文上段に示した「7つの細胞」へ変化(分化)させることが可能であるとされています。
これは、脂肪由来幹細胞を体内に移植できた場合、肝臓・骨・心臓・血管・神経・脂肪組織などを再建したり、より健康な状態に近づけたりできる可能性があることを示しています。
今後は、さらに多くの種類の細胞へ変化できることが期待されています。
脂肪由来幹細胞には、次のような点が強みとされています。
人は生まれた時に、約60億個の幹細胞を持っているとされています。
小さな赤ちゃんから成長して大人になるまでに、約50億個の幹細胞が使われます。
残りの約10億個の幹細胞を使いながら、寿命を迎えるまで体内の細胞の状態を保っています。
80歳前後になると、幹細胞の総数は3,000〜4,000万個まで減少すると言われており、この頃になると体の細胞を再生する力は大きく低下します。
ここで、50〜60歳頃に培養した幹細胞を体内に注入し、その数を補うことができたら……。
これが、再生医療の基本的な考え方であり、可能性への期待でもあります。
もし、私たちの体に必要なすべての種類の幹細胞を培養・増殖させ、必要な場所に適切なタイミングで移植できるようになれば、不老不死とまでは言えませんが、より長く健康な人生を楽しめる可能性があると考えられています。
再生医療の最も最初の段階では、まず、幹細胞を作ることから始まります。
現代では、成人の人から幹細胞を抽出するのに、脂肪組織から脂肪細胞を採取します。
その中には思ったより多くの幹細胞が含まれています。(脂肪由来幹細胞)
この脂肪由来幹細胞を本人の体に戻すことにより、再生医療として、いろいろな効果が期待されています。
1ロットあたり 1.5億個程度の幹細胞培養に止めることが大切と言われています。細胞数が多すぎると各細胞の活性が弱まるばかりか移植された体内に血栓などの悪影響を与えます。
また、アニマルフリーと言われる、牛血清を使用しないことも大切です。牛血清に代表される細胞培養増加薬剤を使用すれば簡単に細胞を増加させられますが、免疫反応や拒絶反応などで安全性が損なわれます。
培養細胞の状態を頻回に確かめることが大切です。ちょっとした環境の変化で培養細胞の品質が落ちるため、常に細胞の観察が必要不可欠です。
細胞培養施設(CPC)で行われる細胞検査の結果や、移植当日の幹細胞の状態を、担当医師から写真で報告してもらうことで、より安心して治療を受けていただけます。
細胞培養施設(CPC)からクリニックまでの輸送時間が1時間以内であれば、細胞は冷蔵で届けられます。冷凍での運送は細胞を冷凍させる冷凍液の影響で細胞の変性、数の減少、活性化の低下を招くため、私は禁忌としています。そのため細胞培養施設(CPC)はクリニックの近隣でなくてはなりません。
脂肪由来幹細胞は、約2か月かけて細胞培養施設(CPC)で培養され、15,000万個程度まで増やされます。
培養期間を長くすれば細胞数は増えますが、あまりに培養細胞数が多くなりすぎると、体内に投与した際に血栓を引き起こしたり、細胞の働きが低下したりする可能性があります。
そのため、1回の投与量は15,000万個程度にとどめるのが一般的です。
点滴自体は通常の点滴と同様ですが、血栓を防ぐため、約2時間かけてゆっくり投与します。
投与中は、広いベッドでリラックスしてお過ごしいただけます。
脂肪由来幹細胞点滴の効果
2ヶ月程度かけて培養された脂肪由来幹細胞のうち7000万個~1億個の幹細胞を通常の脂肪細胞に混ぜて顔の皮下に注射投与します。1回の脂肪幹細胞含有脂肪注入では15cc程度の注入を行います。
脂肪幹細胞含有脂肪細胞の効果
注意点・副作用