再生医療は、「幹細胞(かんさいぼう)」を使って行う治療のことを指します。
ここでは、言葉の使い方として大きく2つに分けて説明します。
再生医療の定義(狭義と広義)
幹細胞を使用して治療をおこなう医療のことを指します。自身の細胞の力を利用して、失われた機能や組織を修復・再生を目指します。
幹細胞そのものだけでなく、幹細胞に関連する治療薬(培養上清液など)を含めた広い範囲での治療を指します。
私たちの体を作っているたくさんの細胞の中には、少し特別な性質をもつ細胞があります。
それが「幹細胞」です。
幹細胞には、次の2つの力があります。
この2つをあわせ持つ細胞を、幹細胞と呼びます。
そして幹細胞は、体のさまざまな場所に存在しています。
たとえば受精卵は、最初はたった1個の細胞です。
それが分裂をくり返し、およそ10か月かけて1人の赤ちゃんの体が形作られていきます。
受精卵と細胞分裂のイメージ
赤ちゃんの体には、皮膚・脂肪・筋肉・骨だけでなく、血管や神経、そしてすべての内臓があります。
つまり、受精卵は人間のあらゆる組織を作り出せる力をもつ、ということになります。
このように「体のすべての細胞になれる力をもつ幹細胞」を、全能性幹細胞といいます。
人体の発生で胎生の1週目から2週目までは包胚期と呼ばれ、この全ての細胞は全能性幹細胞です。
胎生の3週目くらいからは早期原腸胚となり、各幹細胞の方向性がある程度決まってきます。これらは体性幹細胞と呼ばれる様になります。
体性幹細胞の中でも間葉から発生する間葉系幹細胞は比較的多くの種類の細胞に分化することができます。
そこで、現代の再生医療ではこの間葉系幹細胞を利用しています。
細胞の発生と幹細胞の分化
体が作られていく初期の段階では、すべての細胞が全能性、または多能性の幹細胞です。
その後、発生が進むにつれて、それぞれの細胞は「どの方向に変化していくか」がある程度決まった体性幹細胞になります。
そして胎児がほぼ人体の形になると、さまざまな臓器や組織をもつ個体になります。
成人の体の中で、幹細胞を採取しやすい場所は主に次の3つです。
幹細胞を採取しやすい3つの部位(骨髄・脂肪組織・胎盤)
かつては、骨髄から幹細胞を採取していました。
また、胎盤や臍帯から幹細胞が採取できることが知られ、これらを凍結保存することが流行した時期もあります。
その後、2001年に、人体の皮下脂肪からしっかりした幹細胞が発見されました。
これを脂肪由来幹細胞といいます。